ウッドチップは天然の木でできているため、「雨にぬれてカビが生えたり腐ったりしないか」と気になる方も多いでしょう。
屋外の日当たりと風通しのよい場所に敷いたウッドチップは、表面が乾きやすくカビが広がりにくい一方で、湿った日陰や袋に入れたままの状態ではカビが生えることがあります。
この記事では、ウッドチップにカビが生えにくい理由と生えやすい条件、生えたときの対処法に加えて、雨で腐るのか、キノコや苔が出てきたときはどうするかを、製材所の立場からまとめました。
ウッドチップにカビは生える?
ウッドチップにカビがまったく生えないわけではありませんが、屋外の日当たりと風通しのよい場所に敷いていれば、表面にカビが広がることはあまりありません。
一方で、一日中日が当たらない湿った場所や、削りたてのチップを袋に入れたまま置いている場合には、白いカビが出ることがあります。
また、ウッドチップは木からできているため、屋外では菌類(カビやキノコの仲間)や土の中の小さな生き物のはたらきで少しずつ分解され、やがて土に還っていきます。
つまり、土に近い層のチップが黒っぽくなったり、白い糸のようなものが見えたりするのは、多くの場合この分解が進んでいるしるしです。
まずは、気にしなくてよい変化と、手を入れたほうがよい状態を見分けておきましょう。
| 見える変化 | 主な原因 | どうするか |
|---|---|---|
| 土に近い層のチップが黒っぽく、やわらかくなっている | 分解が進んでいる | そのままでよい。 地面が見えてきたら上から敷き足す |
| チップのすき間に白い糸や膜のようなものがある | 木を分解する菌類が広がっている | 少しならそのままでよい。 表面に広がって気になるときは混ぜて乾かす |
| 表面に白や緑、黒っぽいカビが広がっている | 日当たりや風通しが悪く、湿気がこもっている | カビの部分を取り除き、敷く場所の条件を見直す |
| キノコが生えてきた | 木を分解する菌類が地上に姿を見せた | 根元から取り除く |
| 表面に苔が生えてきた | 日陰で湿った状態が続いている | 苔の部分を取り除き、チップを混ぜて空気を通す |
ウッドチップにカビが生えにくい理由
カビは、湿った状態が長く続き、空気がよどんだ場所で増えていきます。
屋外に敷いたウッドチップがカビの広がりにくい資材であるのは、こうした条件ができにくいためです。
すき間が多く、水がたまりにくい
ウッドチップを敷いた層はすき間が多く、雨水が下へ抜けやすいため、表面に水がたまりにくくなっています。
そのうえ、すき間を空気が通るので、雨のあとも湿気がこもりにくい状態を保てます。
日光と風で表面から乾いていく
屋外に敷いたウッドチップは、日光と風にさらされることで、雨がやんだあと表面から乾いていきます。
そのため、日当たりと風通しのよい場所では、表面のチップが湿ったままになりにくく、カビが広がる前に乾きやすくなります。
カビで傷むというより、少しずつ分解されていく
屋外のウッドチップは、カビが生えて傷んでいくというより、菌類や小さな生き物によって少しずつ分解されていくものです。
この分解は土に近いところから進むため、表面のチップは形を保ったまま、下の層から少しずつ土になじんでいきます。
カビが生えやすい条件と対策
反対に、次のような条件がそろうと、ウッドチップにもカビが生えやすくなります。
敷く前に場所の条件を確かめ、当てはまる場合は対策をしておきましょう。
| 条件 | カビが生えやすくなるわけ | 対策 |
|---|---|---|
| 一日中日が当たらない | 雨のあとも乾かず、湿った状態が続く | できるだけ日の当たる場所に敷く。 敷く場合はこまめにチップを混ぜて動かす |
| 風通しが悪い | 塀や建物に囲まれ、湿気がこもりやすい | 物を置きすぎず、空気が通るようにする。 ときどきチップを混ぜる |
| 水はけが悪い | 雨水が抜けず、チップが水につかったままになる | 敷く前に地面をならし、水がたまるくぼみをなくしておく |
| 落ち葉や刈った草がたまっている | 落ち葉が腐り、まわりのチップも湿りやすくなる | 落ち葉や雑草はこまめに取り除く |
| 袋に入れたまま置いている | 削りたてのチップは水分を含んでおり、閉じた袋の中で湿気がこもる | 届いたら早めに袋を開ける |
なお、防草シートを下に敷いた場合も、日当たりや風通しの悪い場所ではカビが生えることがあります。
シートの有無にかかわらず、湿った場所に敷くときは、こまめにチップを混ぜて空気にふれさせると、カビが生えにくくなります。
届いたら早めに袋を開けましょう
当店のウッドチップは、ご注文を受けてから丸太を削っているため、水分を含んだ作りたての状態でお届けします。
その袋を閉じたまま置いておくと、中で湿気がこもり、白いカビが出ることがあります。
そのため、届いたら早めに袋を開けて敷くか、すぐに敷けない場合も袋の口を開け、雨の当たらない風通しのよい場所に置いておきましょう。
余ったチップを保管するときも、香りを閉じこめようと密封すると、結露して白カビの原因になるため、袋の口を開けたまま風通しのよい場所に置いてください。
観葉植物や鉢植えに使う場合
観葉植物の鉢の表面にウッドチップをのせる場合は、屋外よりも日光や風が当たりにくく乾きにくいため、カビが生えやすくなります。
チップは土が隠れる程度に薄くのせ、水を与えすぎないようにしましょう。
あまり厚くのせると土が乾きにくくなり、根腐れの原因にもなるため注意が必要です。
植物のまわりには樹皮のない「ひのき」がおすすめで、鉢植えへののせ方はウッドチップでガーデニングで、室内での使い方はウッドチップを室内で使うでご紹介しています。
カビが生えたときの対処法
ウッドチップにカビが生えてしまった場合は、カビの広がり方に合わせて対処します。
一部に少し生えた場合
カビが一部に少し出た程度であれば、その部分のチップを取り出し、水で洗ってから日なたでよく乾かすと、カビを落として使い直せます。
また、カビの部分だけを取り除いたうえで、まわりのチップを混ぜて空気にふれさせると、乾いて落ち着くこともあります。
広い範囲に生えた場合
広い範囲にカビが広がった場合は、洗って干す方法は手間がかかりすぎるため、おすすめしません。
その場合は、カビの生えた部分を取り除き、上から新しいウッドチップを敷き足してください。
あわせて、日当たりや水はけ、落ち葉のたまり方など、カビが生えた原因を見直しておくと、再び生えるのを防ぎやすくなります。
作業するときの注意
カビの生えたチップを扱うときは、手袋とマスクをつけて作業しましょう。
取り除いたチップは、お住まいの地域のルールに従って処分してください。
室内の鉢植えでカビが出た場合も、表面のチップを取り除き、鉢を風通しのよい場所に移して様子を見ます。
雨で腐る?ウッドチップの分解のしかた
雨が続くと、ウッドチップが腐ってしまうのではと心配になるかもしれません。
しかし、ウッドチップは雨にぬれてもすぐに腐ることはなく、時間をかけて少しずつ分解されていきます。
また、水を含んだチップは重みが増すため、乾いているときよりも風で飛ばされにくくなるという面もあります。
分解は土に近いところから進む
屋外に敷いたウッドチップは、土に近いところから少しずつ分解され、1〜2年ほどかけて土になじんでいきます。
分解が進んだ下の層は黒っぽくやわらかくなり、最後は細い繊維のようなものが少し残る程度になります。
雨にさらされている状態でも、分解の途中でウッドチップ自体が嫌なにおいを出すことはありません。
表面のチップも、日光と雨によって明るい木の色から少しずつ落ち着いた色に変わっていきます。
これは天然の木の自然な変化で、腐っているわけではありません。
減り方は日当たりや踏まれる頻度によって変わり、防草シートの上に敷いた場合は分解がゆるやかになります。
地面が見えてきたら、上から新しいチップを敷き足せば状態を保てます。
敷き足しの目安は、ウッドチップの耐用年数についての記事で詳しくご紹介しています。
バークチップとの違い
ウッドチップとよく似たバークチップは、松などの樹皮からつくられています。
樹皮はもともと木の幹を守る部分なので分解されにくく、敷いたあとも形が残りやすいのが特徴です。
カビについては、どちらも湿った日陰で生えやすい点は同じですが、時間とともに土に還る素材を選びたい場合はウッドチップが向いています。
原料や見た目の違いは、ウッドチップとバークチップの違いでご紹介しています。
キノコや苔が生えてきたときは
ウッドチップの上には、カビのほかにキノコや苔が出てくることもあります。
どちらも湿った状態が続いているしるしなので、見つけたら次のように対処しましょう。
キノコが生えてきた場合
梅雨や秋など雨の多い時期には、ウッドチップの上にキノコが生えてくることがあります。
キノコは木を分解する菌類が地上に出した部分なので、ウッドチップの分解が進んでいるしるしとも言えます。
ただし、食べられるかどうかを見た目だけで見分けるのは難しいため、小さなお子様やペットが口にしないよう、見つけたら根元から取り除いて処分しましょう。
チップを混ぜて乾かしたり、日当たりを見直したりすると、出にくくなります。
苔が生えてきた場合
一日中日陰になる場所や、いつも湿っている場所では、ウッドチップの表面に苔が生えることがあります。
苔が気になる場合は、その部分を取り除いてからチップを混ぜ、空気を通しておきましょう。
日当たりを変えられない場所では、ときどきチップを動かすことで、苔やカビが出にくくなります。
よくあるご質問
- 届いたウッドチップにカビが生えることはありますか?
- 当店のウッドチップは作りたての水分を含んだ状態でお届けしているため、袋を閉じたまま置いておくと、中で白いカビが出ることがあります。
届いたら早めに袋を開け、すぐに敷けない場合も袋の口を開けて、雨の当たらない風通しのよい場所に置いてください。 - カビが生えたウッドチップはどうすればよいですか?
- 一部に少し生えた程度なら、そのチップを水で洗って日なたで干すと、カビを落として使い直せます。
ただし、広い範囲に生えた場合は手間がかかりすぎるため、カビの生えた部分を取り除いて、新しいウッドチップを敷き足してください。 - ウッドチップに防カビ剤などの薬品は使っていますか?
- 当店のウッドチップは天然の木を削ってそのまま出荷しており、防カビ剤や防腐剤、防虫のための薬品は使っていません。
そのぶん、湿った場所でカビが生えたり、時間とともに分解されたりする自然な変化があることをご了承ください。 - バークチップにもカビは生えますか?
- バークチップも木の樹皮からつくる天然の素材なので、日当たりや風通しの悪い湿った場所ではカビが生えることがあります。
生えやすい条件や対策は、ウッドチップと同じと考えてよいでしょう。 - 日当たりの悪い場所に敷いても大丈夫ですか?
- ジメジメした場所や日当たりの悪い場所はカビが生えやすいため、あまりおすすめはしません。
それでも敷く場合は、こまめにチップを混ぜて動かすと、カビが生えにくくなります。
なお、防草シートを下に敷いた場合も同じです。
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