「剪定した枝からウッドチップを作れないだろうか」「ガーデンシュレッダーや枝の粉砕機は自作できるのだろうか」と考える方もいらっしゃるでしょう。
ウッドチップは木を細かく砕いたり削ったりしたものなので、道具をそろえればご家庭でも作ることができます。
この記事では、ウッドチップを製造している東京の製材所・島田小割製材所が、機械を使う方法と手作業で作る方法、自作するときの注意点をご紹介します。
あわせて、製材所での作り方と、広い面積に敷くほどの量が必要な場合の考え方もまとめました。
ウッドチップの作り方の基本
ウッドチップとは、丸太や木材を削ったり砕いたりして、数cm程度の小片にしたものです。
つまり、作り方の基本は「木を小さくする」ことで、その方法は大きく分けて、機械で砕く方法・刃物を使って手作業で切る方法・製材所の専用の機械で削る方法の3つがあります。
それぞれの特徴は次のとおりです。
| 作り方 | 向いている量 | 特徴 |
|---|---|---|
| ガーデンシュレッダー(枝の粉砕機) | 剪定した枝を数袋分 | 短い時間で細かくできる。 細長いものや尖った木くずが混ざりやすい |
| ノコギリとナタ(手作業) | 鉢植えや小さな花壇に敷く分 | 道具が手に入りやすい。 手間と時間がかかる |
| 製材所の切削機 | お庭一面・ドッグランなど広い面積に敷く分 | 大きさと形がそろう。 家庭では用意できない設備を使う |
材料にできる木と、使わないほうがよい木
材料には、庭木を剪定した枝や、伐採した木の幹などが使えます。
なかでも杉やひのきのような針葉樹は木の香りがよく、色も明るく仕上がります。
一方で、防腐剤や塗料がしみ込んだ木材や、接着剤を使った合板などの加工した木材は、薬剤や異物が混ざるため材料には向きません。
また、病気や害虫のついた枝は、ほかの植物に広げないよう材料から外しておきましょう。
バークチップは自分で作れる?
バークチップは樹皮だけを砕いたものなので、作るには木から樹皮をはがして集める必要があります。
はがした樹皮をナタや剪定ばさみで細かくすればバークチップに近いものはできますが、ご家庭で樹皮だけをまとまった量集めるのは難しいでしょう。
バークチップとウッドチップの違いは、ウッドチップとバークチップの違いで詳しくご紹介しています。
ガーデンシュレッダー(枝の粉砕機)で作る方法
ご家庭でウッドチップを作るなら、いちばん手軽なのはガーデンシュレッダーを使う方法です。
ガーデンシュレッダーとは、剪定した枝や葉を細かく砕く機械のことで、「枝粉砕機」や「剪定枝粉砕機」とも呼ばれます。
もともとは剪定枝のかさを減らして処分しやすくするための機械ですが、木を砕くので、ウッドチップづくりにも使えます。
粉砕方式の違い(ギア式とディスク式)
ガーデンシュレッダーは、枝を砕くしくみによって主に2つの方式に分けられ、枝だけを砕くのか、葉や草もまとめて細かくしたいのかで選ぶとよいでしょう。
| 方式 | しくみ | 特徴 |
|---|---|---|
| ギア式 | 歯車のような刃で、枝を巻き込みながら砕く | 音が比較的静か。 枝の処理に向き、葉や草が多いと詰まりやすい傾向がある |
| ディスク式 | 円盤についた刃を回転させて、枝を切り刻む | 価格が比較的安い。 葉や草も処理しやすいが、音は大きめ |
動力の違い(電動式とエンジン式)
動力には電動式とエンジン式があります。
電動式はエンジン式より音が静かで比較的軽く、家庭のコンセントで使えるため、住宅地のお庭で使いやすいタイプです。
一方、エンジン式は電源がいらず使う場所を選ばないうえに、いちばんパワーがあるため、太い枝を処理したい場合や、たくさんの量を作りたい場合に向いています。
ただし、どの機種にも処理できる枝の太さの上限が決まっています。
上限を超える枝を入れると詰まりや故障の原因になるため、取扱説明書で確かめ、太い枝はノコギリで切り分けるか材料から外しておきましょう。
ガーデンシュレッダーでの作り方の手順
1枝を切りそろえる
枝を投入口に入る長さに切り分け、機械が処理できる太さを超えるものは取り除きます。
2作業の準備をする
保護メガネ・手袋・耳栓などを身につけ、機械を平らで安定した場所に置きます。
まわりに子どもやペットがいないことも確かめましょう。
3枝を投入する
枝を1本ずつ投入口に入れ、機械が巻き込む速さに合わせて送ります。
投入口の中へ手を入れたり、無理に押し込んだりしないようにします。
4大きさを確かめる
仕上がりが粗い場合は、もう一度機械に通して好みの大きさに近づけます。
木の硬さは樹種によって違うため、通す回数も変わります。
5選り分けて仕上げる
ふるいや手作業で、細かすぎる粉や細長いもの、尖ったものを取り除けば完成です。
一般に、切ってから日が浅く水分を含んだ枝のほうが、乾いて硬くなった枝より砕きやすいとされています。
そのため、剪定をしたら、枝が乾ききる前に作業するとよいでしょう。
機械を買う前に、借りる方法もある
ガーデンシュレッダーは、小型の電動式であれば数万円ほどで購入できますが、年に数回しか使わないのであれば借りる方法もあります。
自治体によっては、家庭の剪定枝を処理するための粉砕機を無料で貸し出しているところがあり、そのほかに工具や園芸機械のレンタルを扱うお店もあります。
ただし、貸し出しの条件や予約の方法は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村の窓口やホームページで確かめてみましょう。
ガーデンシュレッダーや枝粉砕機は自作できる?
ガーデンシュレッダーや枝粉砕機を自作しようと考える方もいらっしゃいますが、枝を砕く機械を自分で組み立てることはおすすめしません。
なぜなら、これらの機械は強い力で回る刃に枝を巻き込むしくみのため、市販品に備わっている安全装置や刃のカバーがないと、手や衣服が巻き込まれたり、木片が勢いよく飛んだりするおそれがあるからです。
そのため、機械を使う場合は市販品を購入するか、自治体の貸し出しやレンタルを利用するほうが安心です。
ノコギリとナタを使って手作業で作る方法
機械がなくても、ノコギリとナタを使えば手作業でウッドチップを作ることができます。
地道な作業になりますが、道具はホームセンターなどで手に入りやすく、鉢植えや小さな花壇に敷く程度の量であれば無理なく作れます。
手作業での作り方の手順
- 丸太や太い枝を、ノコギリで短く切り分ける
- 切り分けた木を、ナタで割って小枝ほどの太さにする
- 細くなった木を、ナタや剪定ばさみで1〜4cmほどの大きさに刻む
- 細長いものや尖ったものを取り除いて仕上げる
細い剪定枝であれば、剪定ばさみで2〜3cmずつ切っていくだけでもチップに近いものができます。
また、ノコギリだけでなくチェーンソーを使えば、より大きな木材も切り分けられます。
ただし、チェーンソーは扱いに慣れが必要な道具なので、使い慣れていない場合は無理をせず、ノコギリで切れる太さの木を選びましょう。
手作業で気をつけたいこと
ナタで木を割るときは、薪割り台のような安定した台の上で作業し、木を押さえる手を刃の振り下ろす先に置かないようにします。
また、厚手の手袋と保護メガネを身につけ、まわりに子どもやペットがいないことを確かめてから作業しましょう。
ウッドチップを自作するときの注意点
ウッドチップを自作するときは、作業中の安全と、できあがったチップの安全の両方に気を配りましょう。
機械を使うときは安全を第一に
- 取扱説明書をよく読み、使用上の注意を守る
- 保護メガネ・手袋・耳栓などを着け、袖口や首まわりがだぶついた服装は避ける
- 投入口に手を入れない。
詰まったときは、電源を切るかエンジンを止めてから取り除く - 音が大きいため、近所に配慮して作業する時間帯を選ぶ
尖ったチップや細長いチップは取り除く
家庭用のガーデンシュレッダーは木を砕いてつくる方式が多く、細長い木くずや尖った木くずが混ざりやすくなります。
こうしたチップは素足や犬の足を傷つけるおそれがあるため、ドッグランや子どもの遊び場に使う前には、ふるいや手作業で取り除いておきましょう。
作ったチップの保管
作ったばかりのチップは水分を多く含んでいるため、ビニール袋に詰めて口を閉じたまま置いておくと、蒸れてカビが出ることがあります。
すぐに敷かない場合は、通気のよい袋や容器に入れて、風通しのよい場所に置いておきましょう。
また、葉や草が多く混ざったまま厚く積んでおくと蒸れやすいため、枝と葉は分けて扱うのがおすすめです。
製材所でのウッドチップの作り方
製材所では、丸太を専用の切削機で削ってウッドチップをつくります。
当店・島田小割製材所では、建築用材としては値のつきにくい曲がった丸太や傷のある丸太を原料に、次のような工程でウッドチップを製造しています。
- 国産の丸太を、樹種ごとに仕分けて用意する
- ご注文をいただいてから、切削機で丸太を削ってチップにする
- 袋に詰めるときとトラックに積むときに、長いものや尖ったものを手作業で取り除く
- 削りたての状態で袋に詰め、出荷する
このように、当店では作り置きをせず、ご注文をいただいてから丸太を削っています。
削りたてで水分を含んだチップは香りが豊かで、重みがあるぶん風でも飛ばされにくいのが特長です。
実際の製造の様子は、次の動画でご覧いただけます。
切削チップとクラッシャーチップの違い
ウッドチップの製法は、大きく分けて「切削」と「クラッシャー(破砕)」の2つです。
切削チップは丸太を刃で削ってつくるため、1〜4cmほどの平たい形にそろい、足に刺さりにくいのが特徴です。
これに対してクラッシャーチップは木材を砕いてつくるため、大きさや形がばらばらで、細長いものや尖ったものが混ざります。
ご家庭のガーデンシュレッダーで作ったチップは、仕上がりとしてはクラッシャーチップに近くなりやすいと考えておくとよいでしょう。
当店のウッドチップはすべて切削チップで、原料には東京都産を中心とした国産の杉・サワラ・ひのきを使っています。
広い面積に敷くなら製材所のチップが確実
ご家庭で作れるウッドチップの量は手元にある枝や木の量で決まりますが、お庭一面やドッグランに敷くには、思っている以上に多くのチップが必要です。
たとえば、縦10m×横5mのお庭に5cmの厚みで敷く場合は、10×5×0.05=2.5㎥(2,500L)となり、当店の50L入りの袋で50袋分にあたります。
さらに、雑草対策や中型犬・大型犬のドッグランでは10cm前後の厚みが目安なので、同じ広さでもその倍の量が必要です。
このように、広い面積に敷く量を剪定枝から作ろうとすると、材料を集める手間も作業の時間も大きくなります。
そのため、鉢植えや小さな花壇の分はご家庭で作り、お庭一面やドッグランのように量が多い場合は、製材所で製造されたチップを使うのが確実です。
必要な袋数はウッドチップ必要量の計算で確かめられ、広い面積の場合は約1㎥入るフレコンバッグや、トラックでの配送もご相談いただけます。
敷き方の手順はウッドチップの敷き方と厚さの目安で、実際の現場の様子はウッドチップ施工事例でご覧いただけます。
よくあるご質問
- ウッドチップを簡単に作る方法はありますか?
- 細い剪定枝であれば、剪定ばさみで2〜3cmずつ切っていくだけでもチップに近いものができます。
量が多い場合は、ガーデンシュレッダーを使うと短い時間で細かくできます。 - 自分で作ったチップをドッグランに使っても大丈夫ですか?
- 使うことはできますが、家庭用の機械で作ったチップには尖ったものや細長いものが混ざりやすいため、ふるいや手作業で取り除いてから敷きましょう。
ドッグランは面積が広く厚みも必要なため、量が足りない場合は切削チップを購入するのが確実です。
詳しくはドッグランに最適なウッドチップの記事をご覧ください。
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